定例会一般質問

  • 定例会一般質問

1 農業農村整備事業の推進による農業振興について
(1)基盤整備後の生産振興について

 農業の活性化のためには、若者たちに夢と希望を持ってもらうことが重要であり、農業の基盤整備はその基本である。
 基盤整備を契機として、「アグリ南すおう」など広域的な農業経営を行う組織が誕生し、1経営体の面積は飛躍的に増加しており、将来につながる農業のあり方が示されている。
 スマート農業技術やこれに対応する農業機械の導入が可能になったことも基盤整備が進んだことと大きく関係しており、基盤整備の重要性がますます高まっている。
 国は「新たな土地改良長期計画」を策定し、豊かで競争力のある農業の推進という産業政策など3つの視点を示され、私もこの視点で土地改良事業を進めることが本県の農業振興につながると確信する。
 国予算が増加する中、本県においても、ほ場整備や農地の汎用化対策などが進められてきたことを大変心強く感じる。
 しかしながら、担い手の減少や高齢化も相まって、本県の農業産出額は横ばい傾向にあり、産業政策の視点からは課題が多く、ソフト面の早急な取組が必要である。
 これまで、県として取り組まれた土地改良事業の効果を最大限生かすため、産業政策の視点から、担い手育成や生産振興にどのように取り組んでいくのか伺う。

答弁 知事
 国本議員の御質問にお答えします。
 まず、基盤整備後の生産振興についてです。
 本県農業を活性化し、若者たちにとって魅力ある農業を実現するためには、その基本となる生産基盤の整備を推進するとともに、整備された農地を積極的に活用し、担い手を中心に効率的な農業経営を展開していくことが重要と考えています。
 このため、関係団体等と連携し、農地の大区画化や、畑作物の生産も可能となる水田の汎用化を進めるとともに、基盤整備に向けた話し合いを契機とした集落営農法人の育成に取り組んできたところであり、経営の基幹品目として麦や大豆等の導入が進むなど、農地の有効活用が図られています。
 こうした中、担い手の減少や競争の激化など、取り巻く環境は厳しさを増していることから、私は、本県農業の競争力を高めていけるよう、集落営農法人の経営基盤の強化や、整備後の農地を最大限活用した、需要の高い品目の生産拡大、生産性の向上など生産振興に取り組んでいく考えです。
 具体的には、集落営農法人の経営基盤を強化するため、農地中間管理機構と連携し、農地の集積による経営規模の拡大を促進するとともに、多様な人材を活用できる加工や直売の取組など、経営の多角化を積極的に支援します。
 加えて、お示しのアグリ南すおうなど、複数の法人が連携する集落営農法人連合体の形成を進め、新たな取組として、ドローンによる広域での作業受託や大規模な施設園芸の導入など、若者の雇用に繋がる事業展開を促進しているところであり、こうした取組を速やかに県内各地に波及させていきます。
 生産振興に向けては、需要の高い品目の生産を拡大するため、酒造会社や量販店等のニーズをしっかりと把握した上で、酒米や加工用野菜等の計画的な生産を推進するとともに、地域の特性を活かしたリンドウなど、新たな作物の導入を促進し、汎用化された水田のフル活用を進めます。
 また、生産性の向上を図るため、大規模な農地を少人数で管理できる自動走行トラクターなどスマート農機の導入を促進するとともに、こうした機械を駆使できる人材の育成や先端技術の修得などを進めるため、農林業の知と技の拠点の整備にも着実に取り組んでいきます。
 私は、市町や関係団体等と緊密に連携し、次代を担う若者が夢と希望を持てるよう、基盤整備の効果を最大限発揮した農業の振興に全力で取り組んでまいります。

1 農業農村整備事業の推進による農業振興について
(2)ほ場整備と連携した道路整備について

 ほ場は、農業従事者の高齢化等が進行している農業・農村を維持するため、農業経営の改善や地域農業の振興等に寄与する重要な基盤であり、その整備の重要性は高まっている。
 一方、道路は、通勤や通学等、日常生活の利便性の向上だけでなく、各種振興計画の展開や経済・産業の活性化、交流人口の拡大、安全・安心の確保等を図るための重要な基盤であり、その整備の推進も喫緊の課題である。
 中山間地域が将来にわたり発展していくため、農業基盤と道路整備をバランスよく計画的に進めていく必要がある。
 現在も、国営ほ場整備事業「南周防地区」の整備と併せて、県道光柳井線の麻(お)郷(ごう)奥(おく)地区や県道光上関線の瀬戸地区では、バイパス計画等により整備が進められている。
 県は、道路用地として転用した農地を放置せず、一日も早く、事業目的を達成されるよう努力して頂きたいと強く思う。
 そこで、県として、活力ある地域を創るため、地域の産業力等の強化、交流基盤の創造、地域の再生とひとづくり、安心や安全の確保等に不可欠な、これらの道路の早期整備に向けて、今後、どのように取り組むのか、所見を伺う。

答弁 部長
 ほ場整備と連携した道路整備に関するお尋ねにお答えします。
 県では、「やまぐち未来開拓ロードプラン」に、「産業・地域を支える」、「人々のいのちを守る」等の方針を掲げ、暮らしやすいまちづくりの支援や、安心・安全な交通環境の確保を図るため、選択と集中の視点に立ち、重点的・計画的に道路ネットワークの整備を進めています。
 お示しのとおり、ほ場は、農業経営の改善や地域農業の振興等に寄与する重要な基盤であり、また道路も、日常生活の利便性向上や、産業の活性化等を図る上で重要な基盤であることから、県としては、ほ場と道路の整備を連携して進めていくことは、円滑な事業実施に有効であると認識しています。
 このため、ほ場整備が計画されている区域内に未整備の道路がある場合は、当該道路の整備の必要性・緊急性を勘案したうえで、ほ場整備と連携して道路整備を進めています。
 このうち、県道光柳井線の麻(お)郷(ごう)奥(おく)地区では、詳細設計を終えたところであり、現在、用地取得に必要な測量等を実施しています。
 また、県道光上関線の瀬戸地区では、用地の取得が概ね完了しており、早期整備に向け、事業調整や工事を実施しているところです。
 引き続き、ほ場整備と連携した道路整備に当たっては、関係機関と十分に調整を行い、早期整備に努めてまいります。

2 県産農林水産物等の輸出促進について

 国内の人口が減少に転じ、県産農林水産物等のマーケットとして拡大が期待できず、また、食のグローバル化が劇的に進んでいる中において、生産者の所得を確保・向上していくためには、海外輸出に積極的に取り組んでいくことが不可欠と考えている。
 政府が輸出先国の輸入規制へ対応するための窓口を一本化した司令塔組織を設置することは、本県農林水産物等の輸出拡大に向けた追い風になるものと考えており、国の動きに遅れることなく、さらにスピード感を持って輸出拡大を図っておくことが重要と考えている。
 そこで、県産農林水産物等のさらなる輸出拡大に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、所見を伺う。

答弁 部長
 県産農林水産物等の輸出促進についてのお尋ねにお答えします。
 人口減少により国内市場の縮小が見込まれる中、県産農林水産物等の需要を確保し、生産者の所得向上に繋げるためには、海外における新たな販路の開拓が重要であり、重点地域の東アジアはもとより、経済発展が著しいアセアン地域においても、関係者一体となった取組を展開してきたところです。
この結果、輸入商社等国内外の関係者とのネットワークづくりが進み、国や地域ごとに輸出ルートが構築されるとともに、県内の生産者や食品事業者等の輸出への関心も高まってきています。
こうした中、国においては相手国の輸入規制への対応窓口を一本化し、政府間交渉のための迅速な情報収集・分析を行うなど、今後、輸出拡大に向けた戦略的な取組が加速されることから、県としても、これまでの成果を活かし、輸出への取組を一層強化することが必要と考えています。
このため、これまで築いてきた輸出ルートを最大限活用し、さらなる販路の拡大を進めるとともに、輸出コストの削減による県産品の競争力の強化を図るほか、新たに輸出にチャレンジする事業者を掘り起こし、輸出の取組の裾野を広げていくこととしています。
まず、販路の拡大に向け、現地の輸入商社等と連携し、商談が成立した商品について、取扱いが継続・拡大できるよう現地のイベント等に併せて販促活動を行うとともに、これまで築いたネットワークを活用し、百貨店等に加え、業務用などの大口取引先の開拓にも取り組んでまいります。
また、県産品の競争力の強化に向け、輸出に先駆的に取り組んできた県内事業者を「山口県版エクスポーター」として位置づけ、複数事業者の商品を下関港など近隣の物流拠点から輸出を行う取組を支援することにより、新たな低コスト輸出体系を構築していきます。
さらに、輸出の取組の裾野を広げるため、県内で実施する商談会を活用し、意欲ある事業者を新たに掘り起こすとともに、輸出の実現に向け、ジェトロ等と連携し、相手国の嗜好や輸出手続き等のアドバイスを行った上で、現地の評価を確認するテスト輸出等を支援します。
県としては、市町や関係機関等と緊密に連携し、これまで築いてきた国内外のネットワークを最大限に活用しながら、県産農林水産物等の輸出促進に向けた取組を加速化してまいります。

3 関係人口拡大による中山間地域の活力創出について

 中山間地域では、地域づくりを支える担い手の育成・確保が大きな課題であり、移住者や地域外人材等も含め、地域内外の担い手を広く繋ぎ止め、活用することが重要である。
 「定住人口」でも「交流人口」でもなく、定期的に行き来するとか、地域や地域の人々と多様に関わるいわゆる「関係人口」の拡大を進めていくことが重要である。
 国でも、第2期総合戦略における新たな視点として「地方移住にもつながる関係人口の創出・拡大」が示されている。
 平生町佐合島では、住民が、島出身者や過去に島を訪問された方々と関係を深めようと地道に活動を続けており、こうした取組を支援していくことが必要である。
 県では、中山間地域において、住み慣れた場所で安心して暮らしていける持続可能な地域づくりに向けて、関係人口の拡大による地域の活力創出に、今後どのように取り組まれていくのか、所見を伺う。

答弁 知事
 次に、関係人口拡大による中山間地域の活力創出についてのお尋ねにお答えします。
 中山間地域では、急速な人口減少や高齢化の進行により、地域の担い手不足が深刻化する中、域外から多様な人々を呼び込み、幅広い人材等の力を活かし、地域の活性化を図っていくことがますます重要になってきていると考えています。
 私は、行政・関係団体等と一体となって、移住・定住対策に取り組んできたところでありまして、移住相談件数は年々増加し、昨年度は、中国地方でトップの約8,700件に達するなど、本県への移住の関心が高まるとともに、多様な形で地域に関わりたいとのニーズが増大しています。
 さらに今後は、都市住民が多様な形で地域に継続的に関わることのできる機会を増やしていくことで、地域活性化や将来的な移住に向けた裾野拡大等につなげていくことが必要と考えています。
 国においても、こうした関係人口の創出・拡大が、第2期総合戦略の策定に向けた基本方針における地方創生の新たな視点として示されたところであり、県の第2期総合戦略の策定においては、関係人口の創出・拡大に向けた方策をしっかりと盛り込んでまいります。
 具体的には、地域の出身者や過去の来訪者との関わりを深めようとする地域活動への支援や、地方に関心を持つ都市住民が地域の課題解決等に、より深く参画することにつながる新たな仕組みの構築などを検討していきます。
 私は、地域や市町、関係団体と連携しながら、関係人口を拡大し、新たな活力を創出することにより、住民がいつまでも安心して暮らし続けられる持続可能な中山間地域を創っていけるよう、全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。               

4 障害者雇用の促進について

 県の障害者法定雇用率達成企業は55.9%と、全国でも比較的上位にあるものの、未達成企業は依然として約4割存在している。
 障害者雇用には、私の地元でも、障害者の作業遂行能力や仕事に対する意欲などに関する不安、作業補助や介助に要する人員の確保といった経営上の懸念など、率直な声が寄せられている。
 法定雇用率達成企業の割合は、引上げ前の年と比べ減少しており、雇用する側の息切れ感がうかがえる。
 障害者が職業的な自立を果たし、いきいきと生活していくためには、事業主の思いや経営上の事情にも耳を傾けた上で、理解促進・意識改革に丁寧に取り組むことが欠かせない。
 今後、法定雇用率の更なる引上げを追い風として、着実に障害者の雇用促進につなげるためには、事業主に対し、よりきめ細かで丁寧な啓発活動が求められる。
 県は、法定雇用率未達成企業の現状と実態、達成できない事情をどのように把握・評価し、今後、その理解促進・意識改革にどのように取り組むのか、所見を伺う。

答弁 部長
 障害者雇用の促進についてのお尋ねにお答えします。
 障害者の雇用状況につきましては、企業が国に直接報告し、国はその結果を公表することとされており、お示しのとおり、県内企業の約4割が法定雇用率未達成となっております。
 国は、未達成企業の名称やその実態について公表していないため、県は、個々の事情を把握できる立場にはありませんが、国が行ったアンケート調査では、「会社内に適当な仕事がない」、「障害者を雇用するイメージやノウハウがない」などの課題が挙げられています。
 県内企業が抱える事情も同様と思われることから、県では、課題の解決に向けて、国との役割分担の下、障害者雇用に対する企業の理解促進と意識改革を進めるため、普及啓発に取り組んでいます。
 具体的には、障害者に対する必要な配慮や、相談支援機関、助成金制度などを紹介する本県独自のガイドブックを作成して、ハローワークなどを通じ、企業に広く配布するなど、理解促進に努めています。
 また、企業の人事担当者等を対象に「職場リーダー講座」を開催し、雇用の進め方、社内体制の整備等に関する研修を実施するとともに、優良事業所や特別支援学校を訪問し、障害者が活躍する現場の見学を実施しています。
 こうした取組の結果、障害者の新規雇用が実現するとともに、特別支援学校の職場実習や職業訓練を新たに受け入れることが決定するなど、企業の意識改革が進んでいます。
 県としては、今後とも、労働局等関係機関と緊密に連携し、障害者雇用の促進に向けて、丁寧な啓発活動に積極的に取り組んでまいります。

5 洪水対策について

 全国各地では、河川の氾濫、堤防の決壊等が発生するなど、毎年のように大きな被害を受けている。
 山口県においても、昨年の7月豪雨等、大きな被害をもたらした災害が発生しており、これらを未然に防止する治水対策が急務であると考える。
 私は、田布施川や灸川の流域を洪水による浸水被害から、住民の生命・財産や、それらを取り巻く生活環境を守るため、河川改修の加速化や早期完成が必要だと考える。
 また、こうした河川改修と併せて、土砂の撤去や護岸の補修など、適切な維持・管理も重要である。
 特に、草木の伐採については、これまで、地元の皆様がボランティアで実施されてきたが、高齢化等により、実施困難となっており、今後は、県が実施せざるを得ないと考える。
 さらに、ハザードマップにより浸水想定区域を住民に周知徹底するなどのソフト対策も充実し、総合的な洪水対策を講じていくことが重要であると考える。
 県として、県民の生活を災害から守るため、安心・安全の確保や災害に強い県づくりに不可欠である、河川整備をはじめとした洪水対策について、今後、どのように取り組まれるか、所見を伺う。

答弁 部長
 次に、洪水対策についてのお尋ねにお答えします。
 昨年の7月豪雨など、近年、気候変動に起因する記録的な
 集中豪雨等による災害が頻発化・激甚化しており、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、河川整備などの洪水対策が極めて重要であると考えています。
 このため、県では、これまでも、比較的発生頻度の高い洪水に対しては、堤防の整備などのハード対策を進め、また、施設の能力を上回る洪水に対しては、住民の避難に資する情報の提供を柱としたソフト対策を進めているところです。
 まず、ハード対策としては、河川整備計画に基づき、中長期的な視点で計画的に実施する河川改修などを着実に進めるとともに、3か年緊急対策の予算も活用し、短期的に効果を発現する河川内の土砂掘削などの対策を集中的に実施することにより、引き続き、可能な限り浸水被害の軽減を図ってまいります。
また、こうした河川改修に併せて、治水上支障のある箇所等の浚渫や施設の補修等 を効果的、効率的に実施することで、河川の適切な維持管理に努めるとともに、草木の伐採については、地域住民の草刈作業に併せて、県は刈草の収集運搬を行うなど、住民を支援する取組も進めています。
 次に、ソフト対策としては、想定し得る最大規模の洪水を対象とした浸水想定区域図の整備に加え、今年度から、防災行動とその実施主体を時系列で整理した「水害対応タイムライン」の試行運用を始めたところであり、こうした取組により、住民への的確な情報伝達や避難行動につなげていく考えです。
 県としては、県民の安心・安全の確保のため、総合的な治水対策の推進に取り組んでまいります。

HOME | 定例会一般質問